白昼社とその周辺

白昼社と泉由良のお知らせブログです。

にゃんしー『いつかの水晶山』発売

 2月7日は、にゃんしー著エッセイ集『いつかの水晶山』の発売日です。
 山口県防府市で過ごした少年時代をめぐるノスタルジックな文体。防府で撮影してきた写真も収録しています。CDアルバムサイズの四角い本です。是非お手元にどうぞ。

 
 

いつかの水晶山

いつかの水晶山

 
 

「ダメじゃ、死んじょる」Kくんがそういう。
 水晶は本来、透明なものだけれど、
 この山で見つかる水晶は大抵、白い繊維のようなものが中に走っていて、
 あまり綺麗ではない。
 そういった水晶のことを、K君は「死んでる」と表現した。

 Kくんだったかな。もう忘れてしまった。
 それはとてもむかしのことなんだ。

 
 
 
目次

  • 水晶山
  • 空は青くなかった
  • いつかの水晶山

 ぼくはこの詩集で「水晶山:を訪れる。
 ノスタルジアだけが、いつかのどこかへいける、唯一の手段だ。


    

小倉拓也『火は綺麗』電子書籍版

 小倉拓也第一詩集『火は綺麗』の電子書籍版を発行しました(していました)。
 実際は昨年10月の小倉拓也氏の誕生日に発行していました。blog記事が遅くなってごめんなさい。

 前詩学社「第一回詩学最優秀新人賞」受賞詩人でありながら、詩学社倒産により待ち受けられていた第一詩集が発行出来ずにいた小倉拓也(当時のペンネームは「クロラ」)から「詩集を出版してくれないですか」と泉由良が頼まれ、「じゃ、出版社を作るよ」と応えた、白昼社の生まれる発端となった一冊です。その分泉もこの詩集に愛着があります。

火は綺麗 (白昼社)

火は綺麗 (白昼社)

火は綺麗

火は綺麗

「才のない優しい者よりも、身を焼くほどに才のある愚か者を求む」
(小倉拓也)
「さいごにはすべてがいとおしくなる」
(泉由良)

 現代詩の地平に立ちながらクラシックなしたたかさで編まれた詩集をご堪能ください。
 基本価格を360円とし、時折低価格のセールをしています。ご都合の良いタイミングでどうぞ。
 

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『ウソツキムスメ』感想tweet蒐集

(無断でtweetを引用させていただいています。支障のある場合はお手数ですがhakuchusha07@gmail.comかメールフォーム、twitter @hakuchusha @yuraco などへご連絡ください)

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ (白昼社)

ウソツキムスメ (白昼社)

 


 
 
 


 

 こちらの記事もどうぞご覧ください。
 lier.hatenablog.com

第二十五回文学フリマ東京・委託

 明日2017年11月23日(木祝)は東京流通センター第二会場にて11:00〜17:00のあいだ、文学フリマ東京というイヴェントが行われます。自主制作系の本を主に作者が販売する、即売会です。
 今回、白昼社としての参加は今回しないのですが、春に拙著を買ってくださった桜鬼さんのご厚意で委託販売をお願いすることになりました。販売するのは下記三種。

  • 『ウソツキムスメ』泉由良 600円
  • 『ミルチリカル』   〃 700円
  • 『soyogui,その関連』 〃 500円

 ブースは【D-44】波の寄る辺さんにて、桜鬼はなおにさんに販売をお願いすることになります。
 波の寄る辺さんのwebはこちら。
 naminoyorube.jimdo.com
 桜鬼さんは春に『soyogui, その関連』を買って感想をtweetしてくださったというだけでおかおも存じ上げないのですが、読書の傾向が私の好きな傾向なので、安心してお任せしようと思っています。

 

 桜鬼さんの販売される本はこちら。

 
 
 c.bunfree.net

 『ミルチリカル』は東京初売りです。『ウソツキムスメ』は今年の1月に発行したものですが、最近になって売り上げが伸びてきているので、是非未入手の方はご検討くださいませ。『soyogui, その関連』(そよぎ、その関連)は桜鬼さんがこの本を読んだことで委託を考えてくださった本なので、趣味の合う方はこちらもどうぞ。それぞれ、2部〜5部の搬入なのでよろしくお願いします。

 

ウソツキムスメ (白昼社)

ウソツキムスメ (白昼社)

 houhounoteiyudetaro.hatenablog.com
(ウソツキムスメにいただいた、ひざのうらはやお氏の書評)

 

soyogui, その関連

soyogui, その関連

 ではでは。

 文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ



    

『ウソツキムスメ』書評(ひざのうらはやお氏)

 9月の文学フリマ大阪で『ウソツキムスメ』を購入してくださった、ひざのうらはやお氏 id:houhounoteiyudetaro に書評をいただいたので、引用させてくださいと許可をお願いしました。元記事はこちらです。
 houhounoteiyudetaro.hatenablog.com
 ひざのうら氏はイヴェントごとに購入された本に書評と共に点数をつけて「シーズンレース」とされていらっしゃるのですが、『ウソツキムスメ』文フリ大阪シーズン3位をいただきました。ありがとうございます。シーズンレースや点数の付け方などについては、氏のブログの方をご参照ください。

 と、いうかこの書評、感想文が書ける技術は本当の作文力だと思う私としても、言葉の尽くし様、視点の鋭さ、素晴らしいのです。一部引用させていただきます。

「ウソツキムスメ」著:泉由良(白昼社)

(通読性:18、宇宙感:20、残響度:20、嗜好:7、闇度:S 総合:75点)



 ということで、実はあまぶんで買いそびれたこの作品だったが、今回無事にお買い求めでき、無事文フリ大阪シーズン3位にランクインするという結果となった。しかし、3位でも75点。そう、この文フリ大阪シーズンも上位はかなりの強豪が並んでいたのである。



 珠玉の短編集は、どれもこれも言葉の武装力が恐ろしいまでに高く、リリカルな一面を持ちながらしっかりとした世界観と構成で突然剛速球が飛んできたり重力が逆転したりと目まぐるしいながらもなぜか一定の律動を感じるような不思議すぎる空間が広がっている。これが由良さんワールドなのか。知らんけど。とにかくなんというか、陰鬱とした雰囲気を醸し出しているのに、雨が降っている中の一種の清浄感というか、そういうのが全体にわたって感じられるというのがもうよくわからなくて。その不思議さと、読めば読むほど浸っていける、その中毒性。まるで深海の奥深くに連れ込まれているみたいに。黒髪ロング一重まぶた微乳お嬢様系雪女にじっとりと抱かれてゆっくり凍死していくみたいに。ぼくにとっての女性像ってある種の童貞力がすごく高い感じになると思うんですけど、この作品に出てくる女性像がそれにすごく近いなあって思うんですよねえ。つまりぼくの目から見ると非常に非常にガーリーすぎて危険。危険日チャレンジガールズなんですよ。いやエレ片じゃねえわ。


 他の作品を読んでいないわけだが、これはなんだか強い書き手であるような気がするし、あまぶん空間にいないことによってその強さが際立っている。あまぶんだと7位とか8位くらいになってたはず。もっとも、あまぶんだったら評点は変化していたかもしれないが。それがシーズンレースの面白いところである。ってこれ何度目かだけれども。



 ということで。

 次は合同誌最高点をたたき出した、あの作品をご紹介します。

 

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ

 
ウソツキムスメ (白昼社)

ウソツキムスメ (白昼社)

 危険日チャレンジガールズなんですよ。知らんけど。(?)

 次回は合同誌最高点を叩き出した、弊社発行の最強のポエトリースラム誌の書評を、引用させていただきます。