白昼社とその周辺

白昼社と泉由良のお知らせブログです。

『カマタまで文学だらけ』- 5/18〜

 かまぶん! やっています。『カマタまで文学だらけ』何処を取っても文学。文学だらけ。ねえ文学ってなに? 君が決めろ!! あ、見に来てください。
 公式webサイトはこちら
 twitterハッシュタグ#かまぶん

 5月18日13時から販売を開始しました。

 ちなみに正午前からランチ営業で混み合う為、カマタ商店の奥さんの手が空く13時からが「かまぶん」の販売になっています。お食事は正午から召し上がれますし、13時以降は席もゆとりのある感じで、まだお食事もケーキも召し上がれます。
 勿論、カフェスペースには立ち入らずにギャラリーだけでも入場は無料です。
 (通常17時過ぎから在廊するにゃんしーさんが、正午頃立ち寄ってアイスコーヒーを飲んでいるという噂)

 第1週が過ぎてしまったので、駆け足で数名の作家さんだけご紹介します。片側の棚を……と云っても、第2週はまた移動したりするかも知れませんが、写真と一緒に紹介文にお付き合いください。

ひらのみやこ

 描き下ろしの画は一点ものです。画家さんの絵を入手出来る! と思うにはハードルの高くないお値段で素敵な作品なので、お待ちしています(梱包致します)。ポストカードや「はいから宇宙生物」のシール、一言カードなど、ワンコインくらいの小物も。お店を入ったすぐに彩りを放っています。サイケデリック&ガーリー。目に痛くない。悪い成分が入ってない、純粋な、それでも、サイケ。
 これ、いっぱい摂取したい。あまりにも直截的に云うなれば、薬壜に詰められたこの色彩と可愛い女の子で、コデイン中毒みたいになってしまいたい。ヤバい奴ですよもう。


彩村菊乃

『キスとレモネード』

 「君の胸をずきずきさせたい。」をキャッチフレーズにする印象派文学作家、彩村菊乃さん。
 いつだって初恋のような、どの物語にも花が添えられて差し出されているような短篇集『キスとレモネード』と、文学フリマ京都で無くなってしまったフリーペーパー『印象派』を手搬入しにきてくださいました。
 カマタ商店特製「ハニーレモン」を飲みながら『キスとレモネード』を読むという、キスレモの聖地。
 本の方の装幀は、前述のひらのみやこさんです。
 『印象派』は、尼崎文学だらけ発行予定の書籍の試し読みとなります。文フリ京都とその後のイヴェントですぐに貰われていってしまって、幻の小冊子となるかと思いきや、増刷してくださいました。

(tweet、お借りしました)

みなもとはなえ

『Loveletter to ME』

 2014年から2015年まで、SNS「note」で書き溜めたエッセイをまとめました。
なんでもない私のなんでもない日常には、たくさんの感情と憂鬱と美しさであふれていました。


 もし、神様がいるのなら、別に今更生まれを良くして欲しいとか、お金持ちになりたいとか、夭逝したいとか、有名になりたいとか、そんなことは願わないから、ただ、私のことをプラスチックの箱にしまわないでほしい。
 そして神様、あなたも、プラスチックにならないでほしい。


 〈女性的な、そしてそのうえ作家的な〉と云っても「女性性」で括るにはあまりにも勿体無いのですが、単純に云うと、読書が楽しい、と感じるエッセイ集です。そんなことって幸せではないですか。

 表紙がとても良くて、ピンクってどれも別の意味を成しているので纏うには難しいものなのですよ。例えば少女のワンピース。例えば揺れる可憐な花。例えば男を誘うパーティドレス。
 この本が喩えばそれは洋服のように纏うピンクの表紙は他のどんなピンクとも違う。だから『Letter to ME』はどんな本とも遜色ないと云えることが出来る。写真以上に綺麗です。思わず手に取る。
 一緒に入荷しているフリーペーパー『POISON OF LOVE』も読み物としてとても面白くて「この人って愛しながら恋しながら生きていて、でも生活が面倒臭かったりして、クールでLOVEなんだなあ」と安直に云うとそんな。変な言い方ですが、一人の女性の人生を覗き見するのって凄い。凄いことです。

斜線

『都会と森と、それから砂漠』

 斜線さんはあまり文藝販売イヴェントに頻繁には出ていらっしゃらない方だと思います。残部もあまり無いのでは、というところを熱意でお願いしました。今後もどんな風に展開されるのか分からないので、率直に云って今買っておかないと次に何処で入手出来るか、かまぶんにて一番保証出来ないです。

 前述した〈女性的な、そしてそのうえ作家的な〉という言葉が確かに斜線さんにも似合うのですが、この、ご自身からの本の紹介。

 どうしようもない人々に起こる奇跡や怪異についての物語5編。
 私が持て余してきた凶暴な母性愛の集大成。
 生きにくそうな人々を無責任に愛した結果生まれた物語です。
 私はあなたを肯定したい。

 ご自身の子どもへの母性愛というより、森のなかで人間全体へのおおきすぎる母性愛をくつくつと煮るように綴ったような(しかししつこくない!)そして出来上がった小説を悪魔が待っているテーブルに赤ワインと一緒に軽々と運んでいって「味見する?」と容易く声を掛ける切り盛りの巧さ、それから、そんなにおおきな器のなかにいることの窮屈から翻して放つ鋭敏、「持て余してきた凶暴な母性愛」とのご自身の言葉を写そうとすると、そういう感覚を想います。見てください。読んでください。あと、今の場がチャンスです(正直)。
 フリーペーパー『nnmliner 6』も置いてあるので、こちらもお気軽にどうぞ。

キダサユリ


『よるべのない物語1』『よるべのない物語2』、ポストカード

 文章も緻密な画も、両方キダさんが制作されています。
 精密で、胸がそわそわして、触ってみたくなる、黒インクの印刷の奥に仕舞われている物語。安心させてくれないところがやさしい。
 だいいちに「よるべない」という、フレーズとしては安易に使えるくせに本当はとっても堅実で頑ななこの単語を、こんなにそのものとして形に出来るひとがいるのでしょうか。
 初見の方もどうぞ、未知との遭遇アドベンチャをして、そしていつしかこの世界に入ってしまってください。
 詳しい評はまた書きたいですが、書けるかな……。

豆塚エリ

 

 

『金魚は尾ひれをうしなって』『夜が濃くなる』

 「詩人、小説、短歌も書く」詩集を2冊置いていただきました。
 この方への想いがどうしようもなくて、ただ、才媛と呼びたい。
 『金魚は尾ひれをうしなって』は詩作生活8年間のなかの自選詩集。8年間というと少女時代から書いていらっしゃったのだろうと想像して、自分も詩を綴った十代が少し折り重なる。思春期、言葉を書いたことがある方にも、そんな記憶は無い方への出会いにも。

 金魚鉢という、
 世界で一番美しい檻の中に暮らす
 世界で一番哀しい金魚とともに
 言葉の海を泳いでください。

 美しいものを、「美しい」と発言出来るのは勇敢かつ果敢なことです。
 詩集『夜が濃くなる』にもその意思は貫かれていて、そして夜を知っている詩人は信用出来る。孤独も勇気も覚悟も、夜が濃くなる時間にだけ訪れる種のものがあるということを、知っている人種がいるのです。

 豆塚さんとじいっと見つめあったことはたぶん無いのですが、その瞳(きっと澄んでいるだろう)を直視して、私はあなたのしなやかで優美な、それでも偽物は全部見破る世界に、赦されることがありますか? そう尋ねてみたい。尋ねられるだろうか。

 銀色の箔押しや綺麗な金魚の、とても優美な装幀の詩集でもあります。写真よりもお手に取ってください。今後も文藝イヴェントに出店されたり、通信販売もされています。(そういう詳細は後日……)

 豆塚さんのフリーペーパーも多く入荷しているのですが、無料配布だと思えない豪華なものなので、お早めに。

正井

『さまよえるベガ・君は』

 狙いは無かったのですが、今日のブログでお話した側の棚の作家は、全員女性なのです。
 が、失礼ながら正井さんという方は性別が判らない時期がありました。聞いて初めて知りました、予想をする隙が無かった。そんなの失礼かも知れませんが。
 クール、ドライ。何処かユーモラス。それはハードボイルド? 乾いた文体から叙情を受け取るとき、ああ、読書をしている、と感じる。性別より何より、本なんです。人間をいきなり本と呼ぶのも失礼かも知れませんが。

短歌・俳句の"解凍"小説短編集。BLおおめ。今まで寄稿した短編8編に加え、約14000字の書き下ろしを収録。

 書籍の紹介文で[BLおおめ]と書かれていることを踏まえてさえ、「女性作家」だと思わなかった。前作『沈黙のために』が、つまりは【かっこよかった】印象で、実際のご本人がかっこいいのかフェミニンなのか存じ上げませんが、twitterアカウントからさえも摑めない部分のあるその実態を説明するに努めるには【かっこいい】こと。
 それから、「短歌・俳句の“解凍”小説」というジャンルは、カマタで、この方だけです。ゲットしてください。

 ちょっと、性別のことなんかに言及し過ぎましたね。この棚がそういう傾向を持ってしまったので……。


 正井さんのことは深く存じ上げないのですが、ただ本とは関係なく大好きな点として、ドーナツを召し上がっていらっしゃるときに「どーなう」という名tweetをなさること。
 カマタ商店から少し歩くとwaccaという美味しいドーナツ屋さんがあるので、よかったらご来店と一緒に「どーなう」もなさってくださいな。


  *


 どの本へも思い入れは深く、文章力は足りず、写真の技量も足りず、思い入れは深く(2度め)ブログは長ったらしく、それを許して欲しいと願いながら、入店して右側に陳列されている本のことを書きました。
 価格帯としては、フリーペーパーと、300円〜1300円といった具合です(ポストカード類・ひらのみやこ描き下ろし原画除く)
 数部のみの入荷で、追加は無いこともあるので、どうぞお越しくださいませ。
 とは云いつつ、第2週から追加される本もあります! 目を離させない!


 



 次回以降、純文学攻め棚と、クラフト系・雑貨系のテーブルと、カフェで試読・試読していないただ美味しいご飯の食事、などのことを綴りたいと思います。お疲れさまでした。


  *


ドーナツ | 御幣島駅姫島駅


  *



   
 

白昼社へ

ウェブ浮遊区域

Ads by でんでんアドネット