白昼社とその周辺

白昼社と泉由良のお知らせブログです。

『ウソツキムスメ』書評(ひざのうらはやお氏)

 9月の文学フリマ大阪で『ウソツキムスメ』を購入してくださった、ひざのうらはやお氏 id:houhounoteiyudetaro に書評をいただいたので、引用させてくださいと許可をお願いしました。元記事はこちらです。
 houhounoteiyudetaro.hatenablog.com
 ひざのうら氏はイヴェントごとに購入された本に書評と共に点数をつけて「シーズンレース」とされていらっしゃるのですが、『ウソツキムスメ』文フリ大阪シーズン3位をいただきました。ありがとうございます。シーズンレースや点数の付け方などについては、氏のブログの方をご参照ください。

 と、いうかこの書評、感想文が書ける技術は本当の作文力だと思う私としても、言葉の尽くし様、視点の鋭さ、素晴らしいのです。一部引用させていただきます。

「ウソツキムスメ」著:泉由良(白昼社)

(通読性:18、宇宙感:20、残響度:20、嗜好:7、闇度:S 総合:75点)



 ということで、実はあまぶんで買いそびれたこの作品だったが、今回無事にお買い求めでき、無事文フリ大阪シーズン3位にランクインするという結果となった。しかし、3位でも75点。そう、この文フリ大阪シーズンも上位はかなりの強豪が並んでいたのである。



 珠玉の短編集は、どれもこれも言葉の武装力が恐ろしいまでに高く、リリカルな一面を持ちながらしっかりとした世界観と構成で突然剛速球が飛んできたり重力が逆転したりと目まぐるしいながらもなぜか一定の律動を感じるような不思議すぎる空間が広がっている。これが由良さんワールドなのか。知らんけど。とにかくなんというか、陰鬱とした雰囲気を醸し出しているのに、雨が降っている中の一種の清浄感というか、そういうのが全体にわたって感じられるというのがもうよくわからなくて。その不思議さと、読めば読むほど浸っていける、その中毒性。まるで深海の奥深くに連れ込まれているみたいに。黒髪ロング一重まぶた微乳お嬢様系雪女にじっとりと抱かれてゆっくり凍死していくみたいに。ぼくにとっての女性像ってある種の童貞力がすごく高い感じになると思うんですけど、この作品に出てくる女性像がそれにすごく近いなあって思うんですよねえ。つまりぼくの目から見ると非常に非常にガーリーすぎて危険。危険日チャレンジガールズなんですよ。いやエレ片じゃねえわ。


 他の作品を読んでいないわけだが、これはなんだか強い書き手であるような気がするし、あまぶん空間にいないことによってその強さが際立っている。あまぶんだと7位とか8位くらいになってたはず。もっとも、あまぶんだったら評点は変化していたかもしれないが。それがシーズンレースの面白いところである。ってこれ何度目かだけれども。



 ということで。

 次は合同誌最高点をたたき出した、あの作品をご紹介します。

 

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ

 
ウソツキムスメ (白昼社)

ウソツキムスメ (白昼社)

 危険日チャレンジガールズなんですよ。知らんけど。(?)

 次回は合同誌最高点を叩き出した、弊社発行の最強のポエトリースラム誌の書評を、引用させていただきます。

zine展inBeppu4 へ行きます。

 2017年11月3日(金)~5日(日)は、大分県別府市にて、zine展inBeppu4という催しがあります。

 zinebeppu.jimdo.com



 zine展inBeppuに泉由良は参加する。

 委託販売イヴェントということで、本を持っている側は別府の主催者様に送付すれば、開催中販売をしてくださるというかたちのイヴェントなのですが、昨年も白昼社参加+泉由良・にゃんしーのふたりで別府へ赴いたのが大変気に入り、主催のこんぺき出版さんにもお世話になって、今年も赴くことになりました。スタッフのヴォランティア募集などにも参加させていただきますよ。だって昨年別府楽しかったので……! 尼崎からだと、「さんふらわあ号」謂わば動くホテルであるところのフェリーに一泊して朝起きたら門司港なのですね。軽自動車で何処までもゆく主義のネコトコ.com陣(デスポリンキー食堂・白昼社・にゃんしー・泉由良・そのほか諸々)にとっては単に夜一泊船で眠れば連れていって貰えるのです。

 白昼社から送り出す書籍は4種と無料頒布が1種。

文藝誌オートカクテル2015 耽美 (白昼社文藝誌オートカクテル)

文藝誌オートカクテル2015 耽美 (白昼社文藝誌オートカクテル)

  • 作者: 伊藤なむあひ,にゃんしー,赤木杏,ひのはらみめい(そにっくなーす),山本清風,牟礼鯨,霜月ミツカ,恣意セシル,ちょまっこりーな,馬場めぐみ,水銀,eb,泉由良,なかの真実
  • 出版社/メーカー: 白昼社
  • 発売日: 2015/10/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
文藝誌オートカクテル2015 特集 耽美
soyogui, その関連

soyogui, その関連

soyogui,その関連(感想
ウソツキムスメ

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ(感想
忘れ続けるまま逃れられない記憶たちを掬い上げる為の少女小説集
『ミルチリカル』
 d.hatena.ne.jp
無料配布の試読用冊子『試読版 すな子へ』
 2018年あたまからは本文書籍を刊行する『すな子へ(改訂版)』の試読です。

 様子を見ていると書籍販売からの参加者の方も続々と別府を訪れるようですが(だって楽しそうですものね)、どうしても当日に別府に行くのは無理だ、という方の為のお買い物代行サーヴィスがあります。詳細を注意してお読みの上で、どうぞご利用くださいませ。

zinebeppu.jimdo.com



 泉由良の「試読版 すな子へ」は大体これが最後の機会だと思います。試読ではなく本書に入るところまできていますので、来年からは『すな子へ(改訂版)』が刊行されるでしょう。

 感想をいただいているので、ここに貼ってしまいます。無料配布と云いつつ70頁くらいあって、『すな子へ』前半はこのヴァージョンとして明かされているので(つまり本来の書籍では違う稿が交じるでしょう)本当に、関心を持っていただけたらどなたでも持っていってくださいませ。来年は本文完全仕様が上がります。

夢と現実が混ざり合うような作家の男性。
古書店で働く女性・須那子。
──それぞれの日々。


大正時代あたりをモチーフにした疑似世界が舞台の2つの物語が、それぞれ異なる雰囲気の文章で綴られています。
どちらもとても素敵で、その時代のロマンみたいなものを感じました。


お話は謎ばかりがひらひらと雪のように降り続いており
珈琲人形とはなんなのか(表紙の珈琲に納得しました)
男性が出逢ったすな子は誰なのか
古書店で働く須那子は偽春画師と出逢いどうなるのか
そして2つの物語はどう繋がってゆくのか。

早く完成版が読みたいです!


推薦者 なな

from 尼崎文学だらけ

 ななさんのブログやお知らせはこちらをどうぞ。ネットプリント配信など精力的に活動なさっています。本年はカマタまで文学だらけの展示販売にも作家参加をお願いさせていただきました。

library7.hateblo.jp




 zine展inBeppu4 webサイトとtwitterアカウントはこちら。そして、非公式アカウント(?)さんと、全面的にお世話になっております、尼崎文学ガイドのアカウントでもご案内しています。

zinebeppu.jimdo.com    

0827「尼崎文学だらけ」

 尼崎で8月27日(日)に文芸即売会「尼崎文学だらけ〜夏祭り〜」が行われます。

 

 詳しくは公式webサイトとblogをどうぞ。
 尼崎文学だらけ
 amabun.hatenablog.com

 twitterがなかなか賑わっていて、共催としてはありがたい限りです。 
 twitter.com

 白昼社から発した重要事だけ、ここにtweetから抜き書きしますね。

*お客さまへ
 


 気軽に遊びに来てね。


*出店者さまへ
 


 
 楽しんでね。

 ちなみに共催として、企画本部に【白昼社委託】という委託枠を持っています。白昼社が特に推薦し、著者の方に委託をお願いした作品たちです。どの書籍も最前線!
 


 
  

ちんすこうりなさんの詩集の通信販売。

 りなさんの詩集の評文を書かせていただいたご縁で、詩集の通販の代理をさせてくださるということになりました。
 webサイトも作らなくちゃな、と思っているのですが先ずは申し込みフォームだけ作ったのでご利用ください。

 goo.gl


『女の子のためのセックス』ってどんな詩集?
 と思った方は、平居謙先生の下記のオンラインジャーナルもご参照ください。泉由良の評も掲載してくださっています。

 gshinjigen.exblog.jp

 詩集通販代理のことですが、代金は1冊につき消費税無しで1000円と送料一律180円、振込先は白昼社ですが全額ちんすこうりなさんに送金されますのでその点はご安心ください。口座は、ゆうちょ銀行か楽天銀行を選んでいただくかたちになります。詳しくは申し込みフォームを開いてご覧になってください。特定取引法に関する表示もそちらにあります。

 この詩集は私の本の仕事ではありませんが、個人的にこの詩集を読みたいひとに届ける仕組みをりなさんと考えたので、詩集がamazonに入るまでのあいだ、またamazonや委託書店が利用出来ない方は、お気軽にお申し付けください。
 本当に、どうぞ、よろしくお願い致します。

 泉由良(渡邊いずみ/白昼社)



 

     
  

ちんすこうりなさんの第2詩集の評文を書きました。

 gshinjigen.exblog.jp

 平居謙先生の立ち上げられたオンラインジャーナル「新次元」の第2号、
 批評 ちんすこうりな第2詩集『女の子のためのセックス』特集に泉由良が評を寄稿しました。

批評 ちんすこうりな第2詩集『女の子のためのセックス』特集



序文/ヤリタミサコ/小川三郎/馬野ミキ/泉由良/蛇口/さくら

秋吉里実/荒木時彦/南原魚人/海老名絢/ねまる/春野たんぽぽ


 この、序文というのは平居先生が書かれていらっしゃいます。色んなスタイルの評論があって、前から存じ上げていた尊敬する詩人の方もいらっしゃって、このなかに泉由良がいるのははらはらするのですが、評文は真摯に書いたつもりです。


 『女の子のためのセックス』という題名だけだと誤解を受けそうなのですが(女性向けの雑誌の特集とか???)、破廉恥だったり赤裸々独占告白のような本ではありません。平易な言葉で云い表せないのですが、ガラスが張り裂けそうな、というより、張り裂け散らばったガラスを一粒ずつ唇に銜えて集め置いて築かれたかのような、丁寧な、丁寧な、詩集です。
 多くのひとに届きますように。


 

愛にポテンシャルエネルギがあるなら

   (『女の子のためのセックス』評 泉由良)



 一読して(りなさんに抱かれたい)と瞬時痛烈に思った。(りなさんに犯されたい)だったかも知れない。犯されたいとは曝かれたいということだ。

 力学エネルギの法則のことを繰り返し考えた。愛情が、力学エネルギの法則に酷く似ている。



(中略)



 詩集『女の子のためのセックス』を読んで私は、私が常に暴力的存在であることを思い起こし、そして何処にも暴力を振るいたくないことも思い起こした。そんなこと思わせたくなかったよ、とりなさんに感じさせることも、そんなこと思い出させてごめん、と感じるりなさんも、そう思ってくれたんだね、と云うりなさんも想像した。



(後略)


 リンク先で全文読んでください。

(ご恵贈賜りましたこと、併せて深く感謝申し上げます)