泉由良が2004年に新風舎文庫から発行した『夏の前、子どもの集会』を「今が夏の前だから……」と言及してくださっているのを観測しました。ありがたいことです。もう13年も前の本で、泉が初稿を書いたのは19年前でした。14歳のときです。新風舎文庫は共同出版事業に乗り出して文芸社に引き取られるように消えてしまい、文芸社から自費出版のお誘いがきましたがそれはあり得ない費用の要求があったので、遠慮しました、というのが出版当時のあらましです。今Amazonでは、元の値段より高騰して販売されています。白昼社に置いてある在庫も数冊ですので、直出版は見送らせていただいています。
- 作者: 泉由良
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2004/09
- メディア: 文庫
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読書メーターで感想を書いていただいたり、tweetしていただいたので、お借りします。
夏至も過ぎたちょうど夏の前ということで、再読した。ジャンルが無いというか、「夏の前」という空気感だけが存在しているこの作風、いいなあ、と思う。「他のいつでもよかったあの時間を今ここで過ごしている幸せ」というあの感じ。純愛といえばそうなのだろうけれど、それは作中に書かれているものではなく、読者がこの小説を読んで感じたそれこそが純愛なんじゃないかって。そんな思索に浸ることのできる、あるいはそんなんなくても全然かまわない、しあわせで特別な読書だった。
『夏の前、子どもの集会』は去年かまぶんに行った日に読んだんですけど、とても良かったです。ちょうどこの時期に読みたい本です。
— なな@5/27文フリ金沢う-14 (@nano1257) June 25, 2018
さて、19年め(20年め?)の『夏の前〜』は改稿して白昼社から出版しようと、準備を進めています。泉にしてもそれなりに大切な本ですし、子どもの頃にだけ持っていた空気をどれくらい壊さないでいられるか、あのときの本を好きだと云ってくださった方をどれだけ裏切らずに33歳の『夏の前〜』が仕上げられるのか不安に満ちていますが、上梓の折は、どうぞよろしくお願いします。