白昼社とその周辺

白昼社と泉由良のお知らせブログです。

『Poetry Sky Walker』にいただいた感想

Portry Sky Warlker

Poetry Slam Japan

 白昼社『Poetry Sky Walker』について、(株)ごうがふかいなホールディングスのひざのうらはやおさんより丁寧なご感想をいただきました(いただいていました)ありがとうございます。

 houhounoteiyudetaro.hatenablog.com

『Poetry Sky Walker〜ポエトリースラムの為のテキスト集〜』

 小倉拓也、そにっくなーす、にゃんしー、馬野ミキ、泉由良

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 いただいた選評は下記に引用します。

 どうもかーびぃです。
 文フリ大阪シーズンも大詰めに差し掛かってきた。ということでさっそくだが。

 スキマスイッチを一時期聞いていたころがあって、でもそんなにはまることがなかったのだけれど、ひとつだけなんだか引き込まれる曲があって、「ゴールデンタイムラバー」というおそらく有名な曲のひとつなのだろうが、このクールなサウンドとリリック、そして長回しのフレーズを簡単に歌いこなすボーカル、そして徐々に徐々にボルテージを増していく曲構成が本当に本当に無駄なところひとつない、不思議な曲であるにもかかわらず派手さが感じられないというシングル(だと思う、アニソンだし一応)曲としてはかなり華がない方だと思われるこの曲だが、暗闇に満たされた洞窟の底から徐々に加速していくマグマのような熱を当時のぼくは感じたものだった。




「Poetry Sky Walker」著:そにっくなーす ほか4名(白昼社)

(通読性:19、宇宙感:21、残響度:20、嗜好:8、闇度:S 合計:78点)

 同サークルの作品が同シーズンで2回以上記事化される例は、今回が初めてとなる。前回紹介した泉由良さんが主体となっている白昼社のこの合同誌は、現状で合同誌最高評点をマークする結果となった。歴代を鑑みても5位タイと恐ろしく高評点であることがわかる。詩歌を中心として構成されたこの作品集は、ポエトリーリーディングと呼ばれる朗読の一形態のテキストとして詠まれることを前提に作られたものらしく、脳内で声が反響するタイプの読み手であるぼくとしては非常に読みやすかったし、どの作品でもリズム感が追い求められていて、なるほどぼくの評価基準においてもかなりの割合でこのリズム感を重視しているのだなあと再確認させられるほどであった。とくに詩歌は、曲をつけられるのでは、というものが多かった。ぼくが作るならハードロックかスピッツみたいなちょっとしたポップ路線かのいずれかだろうが、そんなことはどうでもいい。



 そして、この作品集において闇度がSとなっている理由であるが、全体として浮遊しているものがなく、地の果ての空井戸の底でひっそりと埋まっているような、あたたかな闇の息吹を感じる雰囲気がそろっている。そして、この人間社会にありふれている薄っぺらで地獄みたいな針の筵に武装された闇を取り払うために、ほんとうの、世界の底に横たわる闇を立ち昇らせているのだ。光でかき消すのではなく、さらなる純度の高い、ほんとうの闇によって包み込む、という何か、矜持にも似た方向性が非常に強く、これが白昼社なのか、これがあまぶんオールスターズの実力だったのか、という、どこかでわかったと思い込んでいたぼく自身の驕り高ぶりをまさに陰影のようにして見せつけられていて、これはぼく自身の反省材料にもなった。



 最初考えていた、突き刺すような強さはむしろないのだが、その突き刺す強さを出さずにじわじわと空間を広げていく感じが非常に手練れを感じるし、この人たちの本気の一撃(一点突破的な意味での)はいったいどこにあるのだ、どこがほんとうの力なのか、というかほんとうっていったいなんだ、みたいなことをものすごく考えさせられ、脳内の循環参照がひどいことになった作品集であった。


 ひざのうらさん、ありがとうございました。

 この本はweb shopより、数量限定で通販可能です。



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3月のカレンダを配信しています。

 3月のカレンダをセブンイレブンのコピー機でネットプリント配信しています。

 


 3月14日23時59分まで。A4判とL判の2種類になります。
 L判はポケットサイズの手帖に貼るのに便利。貼り付けるには紙の厚さが気になる場合は、A4判を45%程度の縮小率で出力すると、通常の用紙で貼ることが出来ます。勿論、それぞれの縮尺でA5、B6判の手帖にも。A4判は壁に貼ると丁度良いです。よかったらどうぞ。
 
 
 


   

にゃんしー『いつかの水晶山』発売

 2月7日は、にゃんしー著エッセイ集『いつかの水晶山』の発売日です。
 山口県防府市で過ごした少年時代をめぐるノスタルジックな文体。防府で撮影してきた写真も収録しています。CDアルバムサイズの四角い本です。是非お手元にどうぞ。

 
 

いつかの水晶山

いつかの水晶山

 
 

「ダメじゃ、死んじょる」Kくんがそういう。
 水晶は本来、透明なものだけれど、
 この山で見つかる水晶は大抵、白い繊維のようなものが中に走っていて、
 あまり綺麗ではない。
 そういった水晶のことを、K君は「死んでる」と表現した。

 Kくんだったかな。もう忘れてしまった。
 それはとてもむかしのことなんだ。

 
 
 
目次

  • 水晶山
  • 空は青くなかった
  • いつかの水晶山

 ぼくはこの詩集で「水晶山:を訪れる。
 ノスタルジアだけが、いつかのどこかへいける、唯一の手段だ。


    

小倉拓也『火は綺麗』電子書籍版

 小倉拓也第一詩集『火は綺麗』の電子書籍版を発行しました(していました)。
 実際は昨年10月の小倉拓也氏の誕生日に発行していました。blog記事が遅くなってごめんなさい。

 前詩学社「第一回詩学最優秀新人賞」受賞詩人でありながら、詩学社倒産により待ち受けられていた第一詩集が発行出来ずにいた小倉拓也(当時のペンネームは「クロラ」)から「詩集を出版してくれないですか」と泉由良が頼まれ、「じゃ、出版社を作るよ」と応えた、白昼社の生まれる発端となった一冊です。その分泉もこの詩集に愛着があります。

火は綺麗 (白昼社)

火は綺麗 (白昼社)

火は綺麗

火は綺麗

「才のない優しい者よりも、身を焼くほどに才のある愚か者を求む」
(小倉拓也)
「さいごにはすべてがいとおしくなる」
(泉由良)

 現代詩の地平に立ちながらクラシックなしたたかさで編まれた詩集をご堪能ください。
 基本価格を360円とし、時折低価格のセールをしています。ご都合の良いタイミングでどうぞ。
 

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『ウソツキムスメ』感想tweet蒐集

(無断でtweetを引用させていただいています。支障のある場合はお手数ですがhakuchusha07@gmail.comかメールフォーム、twitter @hakuchusha @yuraco などへご連絡ください)

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ

ウソツキムスメ (白昼社)

ウソツキムスメ (白昼社)

 


 
 
 


 

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